代謝・内分泌

Time in RangeはまだHbA1cの檻の中

2020年9月15日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

糖尿病学はHbA1cとともに大きく発展しましたが、いま、HbA1cの呪縛によって前進できないでいます。HbA1cの臨床的意義は「数カ月間にわたる高血糖の記憶」です。この短すぎず長すぎない数カ月という時間が実に絶妙だなと常々感心しています。直近の血糖管理状況の指標でありながら、同時に慢性合併症のリスク指標にもなるからです。

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カナグリフロジンは下肢切断を増やすか?

2020年9月10日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 米国Harvard大学医学部のMichael Fralick氏らは、米国の大規模データベースを利用して、2型糖尿病患者で新たにカナグリフロジンを処方された患者と、GLP-1受容体作動薬を処方された患者を対象に、患者の年齢と心血管疾患の有無で4群に分けたコホートを追跡して下肢切断リスクを検討したところ、カナグリフロジンの下肢切断リスクが有意に上昇するのは65歳以上の心血管疾患がある患者だったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年8月25日に掲載された。

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カナグリフロジンは下肢切断は増やすか?

2020年9月10日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 米国Harvard大学医学部のMichael Fralick氏らは、米国の大規模データベースを利用して、2型糖尿病患者で新たにカナグリフロジンを処方された患者と、GLP-1受容体作動薬を処方された患者を対象に、患者の年齢と心血管疾患の有無で4群に分けたコホートを追跡して下肢切断リスクを検討したところ、カナグリフロジンの下肢切断リスクが有意に上昇するのは65歳以上の心血管疾患がある患者だったと報告した。結果はBMJ誌電子版に2020年8月25日に掲載された。

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生殖補助医療による出生児は糖代謝・心血管リスクが高い

2020年9月9日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 生殖補助医療(ART)による出生児の代謝障害のリスクに関して、6~10歳のART児と自然妊娠児を比較する研究が中国で行われた。解析の結果、ART児は血糖値が高く、インスリン感受性と分泌が低下しており、頸動脈内膜中膜肥厚度(CIMT)が高値であることが示された。この結果はDiabetologia誌8月5日オンライン版に掲載された。 ARTの進歩により、ここ数十年間で体外受精(IVF)による出生児は世界中で約800万人に上るとされるが、ART児の出生後の健康リスクが懸念されている。自然妊娠と異なり、体外受精(IVF)では、配偶子と胚が非生理的環境(生体外操作、培地、超生理学的レベルのステロイドホルモンなど)に曝露される。受胎前後の段階での

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新機序の糖尿病治療薬イメグリミンが登場間近

2020年9月8日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2020年7月、2型糖尿病を適応としてイメグリミン塩酸塩(以下、イメグリミン)の製造販売が承認申請された。日本での開発元となる大日本住友製薬は、世界に先駆けて2021年度の上市を予定している。ミトコンドリア機能の改善という独自の作用を持つイメグリミンとは一体どのような薬剤なのだろうか。

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みんなカボチャに見えてくる-甲状腺機能低下症

2020年9月7日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 電車が永田町に着く頃……。 向かいの席に「見覚えのある女性」。 だけど、その人は宝塚に住んでいるはず。 「似てる」と思いつつ、乗り換えのホームに向かいました。 それから、半年……。 「電車の中でお会いしたのに声もかけていただけなかった」と言われて、ギョッとなりました。 今回は「やっぱりあなたでしたか」となりがちな、甲状腺機能低下症のお話です。甲状腺ホルモンは何をしているのか 主な作用は、「細胞の核内受容体と結合」「転写、メッセンジャーRNA、蛋白合成」というキーワードで説明されます。 ホルモンが「細胞膜から核の内側に」たどり着くには、細胞質を通り抜けねばなりませぬ。 光合

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肥満者の減量手術は総死亡リスクを減らす

2020年9月4日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 カナダMcMaster大学のAristithes G. Doumouras氏らは、同国オンタリオ州で減量手術を受けた患者と、減量手術の適応があるが手術を受けなかった人によるマッチドコホート研究を行い、減量手術には総死亡リスクを減らす効果が見られたと報告した。結果はAnn Intern Med誌電子版に2020年8月18日に掲載された。

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時間×血糖=新しい血糖管理目標Time in Range

2020年8月26日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

「血糖屋さん」。糖尿病専門医を揶揄する方は時にこう呼びます。一臓器ならともかく、一疾患のみを専門とする医師は確かに希有な存在でしょう。「血糖屋さん」には大きく二つの誤解が隠れています。一つは、「血糖値だけ調節できればいいんだよね、全身を見なくていいから楽だね」というやっかみです。もちろん、本当は全身を見ずに血糖管理などできません。もう一つは、「血糖管理に失敗して、合併症を診させられるのは結局我々なんだよね」という、主に脳・心・腎など広義の血管病をご専門とされている方々からのお叱りです。

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グリニド:グルファストが首位に返り咲き

2020年8月22日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、速効型インスリン分泌促進薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、40.2%の医師がミチグリニドカルシウム水和物(商品名:グルファスト他)と回答した。 第2位のレパグリニド(シュアポスト他)は34.7%、第3位のナテグリニド(スターシス、ファスティック他)は25.1%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。 ミチグリニドとレパグリニドは、これまでの調査でも接戦を繰り広げてきた(第1回調査:2015年7月、第2回調査:2016年11月、第3回調査:2018年12月)。特に第3回調査では、レパグリニドがミチグリニドを抜き去ってついに首位となったが、今回調査で再び……

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HbA1cとグリコアルブミンの相互変換

2020年8月21日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

今回のテーマは「HbA1cとグリコアルブミンの相互変換」です。糖尿病患者の血糖コントロール指標としてはHbA1cが最良のマーカーとされています。しかし、HbA1cでは血糖コントロール状態を把握できない症例があることや、血糖が急速に変化した場合はHbA1cの変化が遅れることが問題になっていました。このため、HbA1cに代わる第2の血糖コントロール指標が求められ、グリコアルブミンが開発されました。ところが、グリコアルブミンが普及すると共に、多数の臨床家から「グリコアルブミン値から血糖コントロール状態を判定するのが難しい」との指摘が寄せられました。日々の診療に用いているHbA1cとは異なり、グリコアルブミンには親しみがなく、数値

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血糖もあなたの大切なアイデンティティー

2020年8月17日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

医療者のみなさん、そして糖尿病患者さんの中には、COVID-19対策の一環として電話再診やオンライン診療を活用された方も多いのではないでしょうか。今後もきっと“新しい社会”のひとつとして“新しい医療”が推進されるでしょう。

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間もなく登場の経口GLP1薬は普及するか

2020年8月14日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 ついに我が国でも、近く経口GLP-1受容体作動薬が使えるようになる。ノボノルディスクファーマは2020年6月、週1回投与型GLP-1受容体作動薬であるセマグルチド注射薬(商品名オゼンピック、上写真6)の発売とともに、同じ成分であるセマグルチドの経口薬(商品名リベルサス、上写真7)の国内承認を発表した。GLP-1受容体作動薬はペプチドであり経口投与しても分解されてしまうため、注射薬しかなかった。

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何が変わった?「超超速効型」インスリン

2020年8月13日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 基礎インスリン分泌と食後の追加インスリン分泌をそれぞれインスリン注射で補う強化インスリン療法では、毎食前に超速効型インスリンが使われる。この超速効型に関して、添加剤によって現行製品よりもより速い血糖降下作用が得られるとうたう新製品が登場した。2020年2月にノボノルディスクファーマから発売されたフィアスプ(商品名、上写真4)と、同年6月に日本イーライリリーから発売されたルムジェブ(商品名、上写真5)だ。

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重症低血糖に鼻からグルカゴン投与

2020年8月12日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2020年3月、低血糖時の救急処置に用いるグルカゴン製剤として、初の点鼻薬となるバクスミー(商品名、上写真3)が承認された。メーカーの日本イーライリリーでは、薬価収載後速やかに発売するとしている。本薬剤は容器の先端を鼻腔内へ挿入し、注入ボタンを押すことでグルカゴン粉末の噴霧が完了する。投与後の深呼吸などは不要で、低血糖のため意識のない患者に対しても使用できる。

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インスリン+GLP1薬合剤が提案する新戦略

2020年8月11日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

持効型インスリンとグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬の合剤や点鼻グルカゴン、吸収がより速まった超速効型インスリン、経口GLP-1受容体作動薬など、昨年から新規糖尿病治療薬の承認・発売が相次いでいる。キーワードは、「使いやすさの向上」だ。

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「先生に背中をさすってもらったことが一番の治療だった」

2020年8月11日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 医師なら誰にでも「忘れられないカルテ」がある。後日、冷や汗をかいた症例、奇跡的にうまくいった自慢の症例、「なぜあのとき…」と今でも後悔している症例、などなど。ことある…

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「困ったときのメタアナリシス」でよいのか

2020年8月10日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、6月にウェブで開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)。今期大会の注目演題の1つが、米国で4番目のSGLT2阻害薬であるエルツグリフロジン(日本未発売)の心血管安全性を評価した、VERTIS-CV試験だった。

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インスリンアスパルトが6割超のシェアをキープ

2020年8月8日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、超速効型インスリン製剤のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、64.2%の医師がインスリンアスパルト(商品名:ノボラピッド、フィアスプ)と回答した。 第2位のインスリンリスプロ(ヒューマログ、ルムジェブ他)は26.8%、第3位のインスリングルリジン(アピドラ)は9.0%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。 インスリンアスパルトは、これまでの調査(第1回調査:2015年6月、第2回調査:2016年11月、第3回調査2018年12月)と同様に、高いシェア(61.5%→65.4%→61.5%→64.2%)をキープしている。

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GLP-1受容体作動薬に初の経口薬が登場

2020年8月7日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2020年6月29日、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドの経口薬(商品名リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg)の製造販売が承認された。適応は「2型糖尿病」、用法用量は「1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを維持量として4週間以上投与しても効果不十分な場合は、1日1回14mgに増量することも可能」となっている。 血糖降下作用にはインスリン以外にも食事の摂取に伴い消化管から分泌される「インクレチン」というホルモンが関与しており、血糖依存的にインスリン分泌を増強することが知られている。代表的なインクレチンであるGLP-1は、小腸

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CGMが語る、知られざる血糖の世界

2020年7月27日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

24時間、連続的に血糖の動きを追いかけることができる持続グルコースモニタリング(CGM)が初めて日本で使えるようになったのはおよそ10年前のことです。といっても、現在のように個人で自己管理に用いることができる「パーソナル」CGMでも、グルコース値が機器上に常に表示されている「リアルタイム」CGMでもありませんでした。しかも、センサーを皮下に挿入して3日間、有線でポケベルのような機械につながれていなければなりません。データを見るためにはいちいち機器本体を取り外し、PCで読み込む必要がありました。つまり、基本的に入院患者さんにしか使えなかったのです。防水機構もなく、入浴はできません。専用のビニール袋に機器を入れ、

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グリコアルブミン:第2の血糖コントロール指標

2020年7月21日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

今回のテーマはグリコアルブミンです。糖尿病患者さんにおける血糖コントロール指標としてはHbA1cが標準ですが、HbA1cが常に最良の血糖コントロール指標となるわけではありません。溶血性貧血や肝疾患、腎疾患などを合併している場合は赤血球寿命が短縮し、HbA1cが相対的に低値になります。鉄欠乏性貧血などでは逆に赤血球寿命が延長し、HbA1cが相対的に高値になります。教育入院などで血糖コントロールが急に改善した場合や、合併疾患により血糖コントロールが急に悪化した場合も、HbA1cの変化が遅れ、正しい血糖コントロール状態を示さなくなります。

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血糖の安全飛行を生涯続ける難しさ

2020年7月15日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う緊急事態宣言が明けてから1カ月以上がたちました。自粛期間に受診もままならなかった患者さんたちの血糖コントロール悪化を見るたびに日々の診療における療養指導の重要性を強く感じています。

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在院時間短縮の取り組みが今後も生きる

2020年7月14日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2019年末から世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、患者が不安になって受診をためらうケースが少なくない。オンライン診療はこうした不安を解消する方法として期待されているが、一方で対面でなければならないケースもあるだろう。「その代表例が糖尿病だ」と指摘するのは、糖尿病専門医として地域の患者を数多く診療しているあらまき内科クリニック(滋賀県湖南市)院長の荒牧陽氏。新型コロナ時代の糖尿病診療の姿について荒牧氏に話を聞いた。

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手を合わせれば分かるあの所見

2020年7月10日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

海外に行った際、日本人というだけでなぜか手を合わされ、カタコトの日本語で「コンニチハ」と話しかけられた経験がある方は少なくないのではないでしょうか。今回の「撮っておきCli…

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結果から糖尿病を再定義する

2020年7月10日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

もし、あなたがいま“糖尿病”と診断されたらどんな気持ちになるでしょうか。「生活習慣の乱れからくる自己責任の病」、「子供の頃から肥満だから」、「親も糖尿病だから」…それとも「まさか、自分が」──。後悔し諦めるか、青天の霹靂と悲嘆するか、あるいは無実の自分に起こってはならない不条理であり断固として消し去らなければならない汚点だと憤怒なさるでしょうか。

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CGMで若年1型患者の血糖コントロール改善

2020年7月6日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 若年の1型糖尿病患者でも、自己血糖測定(SMBG)による従来法よりも持続血糖モニタリング(CGM)を用いた方が血糖コントロールは良好だったと、米国のCITY研究グループがJAMA誌6月16日号に報告した。

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メトホルミンが便中への糖の排出を促進

2020年7月6日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 ビグアナイド(BG)薬であるメトホルミンによって便中への糖の排出が促進されることが、生体イメージング研究から明らかとなった。神戸大学医学部附属病院の坂口一彦氏らが、ウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会(ADA2020、6月12~16日)で、メトホルミンによる血糖降下の新たな作用メカニズムとして報告した。

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OGTTで「尿が出ない」場合、飲水させていい?

2020年7月6日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

ブドウ糖負荷試験(OGTT)について質問させてください。私の勤務先では、ブドウ糖の飲用前、飲用60分後、飲用120分後の3回、採血と検尿をしています。しかし、2回目や3回目の検尿で尿が…

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ベンズブロマロンが8割以上の支持を獲得

2020年7月4日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、尿酸排泄促進薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、83.5%の医師がベンズブロマロン(商品名:ユリノーム他)と回答した。 第2位のプロベネシド(ベネシッド)は15.2%、第3位のブコローム(パラミヂン)は1.3%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。 ベンズブロマロンは、第1回調査(2015年9月)では80.0%、第2回調査(2018年11月)では78.9%と圧倒的なシェアを維持しており、今回の調査では83.5%とさらにシェアを伸ばしている。

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胃バイパス術による減量で心・腎リスクが低下

2020年7月1日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2型糖尿病の肥満患者を対象に、胃バイパス術(GBP)による減量によって心臓・腎臓に関連するリスクが低下するかどうか、スウェーデンの全国的なコホート研究で検討された。解析の結果、GBPによる減量によって腎アウトカムや心不全、心血管死亡のリスクが低下し、そのベネフィットは、アテローム性動脈硬化などの非致死性の心血管疾患に対するベネフィットよりも大きいことが示された。また、腎機能のレベル(eGFR)で層別化して解析したところ、そのレベルにかかわらずほぼ全てのリスクが低下していた。この結果はDiabetes Care誌6月号に掲載された。 肥満と2型糖尿病は、腎疾患および心血管疾患(CVD)に関連していることが知られているが、

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初の経口GLP-1受容体作動薬リベルサスが承認

2020年6月30日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2020年6月29日、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドの経口薬(商品名リベルサス錠3mg、同錠7mg、同錠14mg)が、2型糖尿病を適応として承認された。従来、ペプチドであるGLP-1受容体作動薬には注射薬しか存在せず、経口製剤化は初めて。同薬は米国、欧州、スイス、カナダで承認されており、日本では2019年7月に承認申請が出されていた(関連記事:経口GLP-1薬は糖尿病治療に革命を起こすか)。早ければ8月にも薬価収載される見通しで、発売時期は未定。

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持続血糖測定でケトアシドーシスのリスク減少

2020年6月29日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 フラッシュグルコースモニタリングシステム(FGM)のFreeStyleリブレを使用した糖尿病患者では、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)で入院する割合が大幅に減少したことが明らかとなった。フランスの全国的な後ろ向き研究の結果で、第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020、6月12~16日にウェブサイト上で開催)で同国ビシャ病院のRonan Roussel氏らがされた発表した。

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HbA1cと血糖値の関係

2020年6月24日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

HbA1cは先行期間の平均血糖を反映する指標です。従って、HbA1cを見れば先行期間の平均血糖が分かり、逆に、平均血糖が分かればHbA1cが分かるはずです。このようなHbA1cと血糖の関係は当然のことであり、両者の関係はきちんと確定しているはずだと思われるでしょう。ところが、実際には、こんな基本的なことが未だきちんと決まっていません。

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エルツグリフロジン、CVリスクの減少幅は3%

2020年6月23日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 米国では4番目のSGLT2阻害薬として発売されているエルツグリフロジンの心血管安全性を評価した大規模臨床試験VERTIS-CVの詳細が、6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会で発表された。主要評価項目である複合心血管イベント(MACE)のリスクは、プラセボ群に比べた非劣性の提示にとどまったほか、複合腎イベントでも有意なリスク減少を示すことはできず、他のSGLT2阻害薬と同様な有意なリスク減少を示したのは心不全入院だけだった。なお結果の一部は、開発元である米メルクが4月に公表している(関連記事)。

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利き手で箸を持たない食事で食後高血糖が改善

2020年6月22日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 利き手と反対の手で箸を持つ食事により食後血糖値の改善が期待できることを、佐久市立国保浅間総合病院の西森栄太氏らが第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020、会期:6月12~16日、ウェブサイト上で開催)で報告した。

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イプラグリフロジンで糖尿病患者のNAFLD改善

2020年6月18日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 SGLT2阻害薬イプラグリフロジンの投与によって、2型糖尿病に合併した非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の肝病態を改善できる可能性が示された。我が国で行われた多施設共同ランダム化比較試験の結果で、イプラグリフロジン投与群は対照群に比べHbA1cやBMIが有意に改善したほか、肝生検による線維化所見の有意な改善も示された。6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)で、佐賀大学の高橋宏和氏らが発表した。

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ダパグリフロジンで糖尿病の発症リスク32%減

2020年6月17日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 SGLT2阻害薬ダパグリフロジンの心不全治療効果を検証したDAPA-HF試験の探索的解析から、ダパグリフロジンの投与によって糖尿病の新規発症のリスクが32%、有意に抑制されたことが明らかになった。6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)で、米国エール大学のSilvo E. Inzucchi氏らが発表した。

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ゴリムマブが1型糖尿病のインスリン分泌を維持

2020年6月16日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 腫瘍壊死因子(TNF-α)に対する抗体医薬であるゴリムマブの投与によって、若年発症1型糖尿病患者の内因性インスリン分泌能の維持が可能であることが明らかになった。6月12~16日にウェブサイト上で開催された第80回米国糖尿病学会学術集会(ADA2020)で、ニューヨーク州立大学バッファロー校のTeresa Quattrin氏らが発表した。

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FreeStyleリブレが2型糖尿病でも使いやすく

2020年6月4日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 連続的かつ非観血的に血糖値を測定する持続血糖測定器。主に1型糖尿病に使用されていたが、2020年度診療報酬改定で、フラッシュグルコースモニタリング(FGM)装置のFreeStyleリブレの算定基準が見直され、外来で強化インスリン療法を受ける2型糖尿病に使用しやすくなった。持続血糖測定器を活用する患者は飛躍的に増加しそうだ。

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HbA1cの動きを読む

2020年6月1日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 今回の数理糖尿病学のテーマは「HbA1cの動きを読む」です。これまで「HbA1cはいつの血糖を表すか?」について解説してきましたが、この考え方はHbA1cから過去の血糖の良否を判定するという考え方です。もちろん、過去の血糖の良否が分かれば、これまでの治療の良否が分かり、よりよい治療法に切り替えていくことができます。これはHbA1cの静的な読み方です。これに対し、今回のテーマはHbA1cの動きから未来のHbA1c値を読む方法で,HbA1cの動的な読み方です。HbA1cの動的な読み方ができれば、血糖コントロール状態の変化をより詳しく読むことができます。

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フェブリクがさらにシェア拡大、不動の首位に

2020年5月15日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、尿酸生成抑制薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、56.8%の医師がフェブキソスタット(商品名:フェブリク)と回答した。 第2位のアロプリノール(ザイロリック他)は38.2%、第3位のトピロキソスタット(ウリアデック、トピロリック)は5.0%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。 フェブキソスタットは、第1回調査(2015年9月)、第2回調査(2016年12月)、第3回調査(2018年5月)を通じて、シェアを伸ばし続けている(42.2%→48.0%→53.5%→56.8%)。

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インスリンデグルデクが着実にシェアを伸長

2020年5月11日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、持効型インスリン製剤のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、72.0%の医師がインスリングラルギン(商品名:ランタス他)と回答した。 第2位のインスリンデグルデク(トレシーバ)は24.7%、第3位のインスリンデテミル(レベミル)は3.3%の医師が、最も処方頻度の高い薬剤として選んだ。 第1回調査(2015年5月)、第2回調査(2016年10月)、第3回調査(2018年2月))を通じて、この3剤の順位に変化はなく、インスリングラルギン(ランタス他)が圧倒的なシェアを維持しているが、2位のインスリンデグルデク(トレシーバ)も、回を追うごとに着実にシェアを伸ばして……

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FDAがダパグリフロジンの心不全への適応を承認

2020年5月8日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 米食品医薬品局(FDA)は5月5日、SGLT2阻害薬ダパグリフロジンについて、「成人の左室駆出力が低下した心不全(HFrEF)に対する、心血管死亡または心不全入院の予防」という適応を追加すると発表した。SGLT2阻害薬が糖尿病を合併していない心不全に対する適応を取得するのは、これが初めてとなる。

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HbA1cと血糖の関係はどんな機構で決まるか?

2020年5月7日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

前回の数理糖尿病学で「HbA1cはいつの血糖を表すか?」について解説しました。その内容は、HbA1cは過去4ヵ月の血糖を反映するが、その寄与率は時期によって異なり、直前の1ヵ月の血糖が50%、その前の1ヵ月の血糖が25%、更に前の2ヵ月の血糖が残りの25%の寄与をするということでした(図1)。

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米4番目のSGLT2阻害薬、CVリスク減少示せず

2020年5月7日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 欧米で発売されているSGLT2阻害薬ertugliflozin(エルツグリフロジン、日本未承認)の心血管安全性を評価したVERTIS-CV試験の結果が、一部明らかになった。開発元の米メルクが、2020年1~3月期の決算報告の中で言及した。主要評価項目(心血管死亡+心筋梗塞+脳卒中)に関してプラセボ投与に比較した非劣性を示すことはできたが、副次評価項目として設定された心血管イベントの有意なリスク減少を示すことはできなかった。

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メトグルコなどでクラスIの自主回収

2020年4月28日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

大日本住友製薬(大阪市中央区)は2020年4月27日、糖尿病治療用薬のメトグルコ(一般名メトホルミン塩酸塩)の250mg錠と500mg錠の一部製品を自主回収すると発表した。重篤な健康被害または死亡の原因となり得る「クラスI」の回収。

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低血糖の救急処置に初のグルカゴン点鼻薬が登場

2020年4月24日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 2020年3月25日、低血糖時救急治療薬グルカゴン(商品名バクスミー点鼻粉末剤3mg)の製造販売が承認された。適応は「低血糖時の救急処置」、用法用量は「1回3mgを鼻腔内に投与」となっている。 インスリンなどの糖尿病治療薬による副作用として低血糖症状の頻度が高いことが認められている。通常、血糖値が異常に低くなることで、冷や汗などの自律神経症状や、頭痛やめまいなどの中枢神経症状が現れるが、ブドウ糖の投与(摂取)など適切な治療によって症状の改善が見込まれる。しかし、急激に血糖値が低下する場合や、自覚症状が現れない状態で血糖値が低下し、自力で対応できない場合は対処が間に合わず、大脳機能低下による意識障害を引き起

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HbA1cはいつの血糖を表すか?

2020年3月26日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

「数理糖尿病学」の最初のテーマは、「HbA1cはいつの血糖を表すか?」という問題です。

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「日本人の標準薬」DPP-4阻害薬に死角はないか

2020年3月23日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 以前に本コラムで一度紹介した(記事はこちら)友人から、持続血糖測定(CGM)を使った糖尿病療養に関する続報が入った。彼の話を聞きながら頭に浮かんだことをまとめたこの記事は1例報告に基づく記者の私見に過ぎないが、お付き合いいただければ幸いである。

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新規糖尿病薬の心血管アウトカム試験、不要に

2020年3月16日 日経メディカル Online 代謝・内分泌

 米食品医薬品局(FDA)は3月9日、新規糖尿病治療薬を対象とした心血管安全性評価ガイダンスの改訂案を発表した。現行の動脈硬化性心血管疾患のリスク評価に特化したものから、有害事象の幅広い評価を目的としたものになっている。現在、パブリックオピニオンを求めており、それを踏まえて新しいガイダンスが正式発表される見込み。

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